句読点を「,(カンマ)」と「.(ピリオド)」、もしくはその全角文字を使って書く人がいる。僕はこれが大嫌いだ。
ご覧いただければ分かるように、僕は句読点に「、 (てん)」と「。 (まる)」を用いている。なぜなら、句読点は日本語の文章の区切りを示すためのものであり、カンマやピリオドは欧米言語の文章の区切りを表すものであるから、日本語で文章を書いている以上、そうするのが当然のことのように感じられるからだ。もう少しどうでもいい理由としては、音声読み上げをさせた際に、いちいち「カンマ」だの「ピリオド」だの読み上げられるのがうっとうしい、というのもある。
周囲の人に聞いてみると、見た目の問題から横書きの場合は「、」や「。」はあまり好まれない場合もあるようだ、ということが分かってきた。手書きの文章においては重要な問題だろう。手書きの場合、文字はテキストの持つ意味を表すだけでなく、視覚的な表現をも伴っているのだから。しかし、電子的なテキストにおいてはどうだろうか。文字は、テキストの持つ意味合いを表すために最善のものが選択されるべきであり、見た目を調整するために意味合いを犠牲にすべきではないのではないだろうか。見た目を変えたければ、違うフォントを使うまでの話である。それをユーザに求めるのは確かに無理のある話だと思う。だとすれば、そういうことを状況に応じてできないアプリケーションに責任があるのだろう。つまり、現状ではアプリケーションや関連する規格がそこまで深く考えて作られていない (ように感じられる) ために、ユーザがアプリケーションなどが持つ問題などを補うべく、本来優先されるべき文字の意味を犠牲にしなければならない、ということなのだと考えられる。
そんなことを考えて、なんとなく Google で、「句読点 横書き」というキーワードで検索してみたところ、興味深いページがあれこれと出てきた。一番最初に出てきた 横書き文の句読点について というのを読んでみるだけでも、随分興味深い。
白状すると、僕はこの「カンマ」や「ピリオド」が多く使われるのは、単に情報系の人たちが多く使っている日本語変換システムのデフォルトがそうなっているから、とかそのくらいのことだと思っていた。しかし、上に紹介したページを見ると、どうやらそういう訳ではないらしい、どころか、実はかなり歴史のある問題らしいことも分かる。
このページを書かれた方も言っておられるが、やはりアプリケーションが見た目を調整すべきだろう。 Webの世界で、よくセマンティクスとプレゼンテーションの分離、ということを言うが、まさにそれである。プレゼンテーションを意識してセマンティクスを犠牲にするような文字の選択をすべきではないと思うのだ。そして、そんなことを考えているのかどうかは分からないが、 Webのアクセシビリティについて取り組む人たちの名かにも「カンマ」「ピリオド」派がいるのが、僕にとってはきわめて苦々しく感じられる。何かの考えがあってのことならいいが、そうでないなら本質を分からずに取り組んでいるように見えてしまうのである。
いろいろと調べたあげく、結局僕はこれまで通り「、」と「。」を使い続けることにした。もし印刷や読み手の都合で他の組み合わせの方がいい場合も、「、」と「。」なら一括置換で問題解決できるからだ。「,」や「.」を使って書かれた文章を「、」や「。」の文章に変換しないといけない場合のことを考えてみて欲しい。英文が混ざっていたり、そうでなくても「3.14」とか「U.S.A.」とかいう表記があったら、一括置換ではどうにもならない。そういう意味でも、そしてセマンティクスを正しく記述するという意味でも、僕は「、」と「。」を使い続けることにしたのだ。
ちなみに、似たような考えの基に、僕は半角と全角の両方がある文字に関しては、基本的に半角しか使わないように心がけている。

コメント (3)
doi (2005年9月14日 (水) 19:51):
何となくググってたらmaxせんせいのblog発見〜。
点と丸、カンマとピリオドについては難しい問題だよね。僕も「点と丸」派だったんだけど、maxがciteしているサイト見て、また悩んじゃった。特に略語を含めて英単語が頻出する論文とか書いてたりすると、並置の使いかたをするときにカンマが欲しくなる。おのひろき氏なんかは「ナカグロ(・)使えよ!」と言ってるのでまぁいいかという気がするけど。
., (2006年6月 2日 (金) 12:22):
はじめまして.カンマとピリオドを打つ者です.
ご質問ですが,
『ご覧いただければ分かるように、僕は句読点に「、 (てん)」と「。 (まる)」を用いている。なぜなら、句読点は日本語の文章の区切りを示すためのものであり…』
との主張ですが,そもそもの日本語文章論を唱えるならば,「縦書き」という論点も含める必要性はありませんでしょうか.
私は,「横書き」という欧米スタイルである以上,「カンマとピリオド」を使う,という論者なのですが…
ご意見いただければと思います.
Max
(2006年6月 3日 (土) 03:56):
書き手が紙に印刷する所までやる場合、自分が書いた文書が縦書きになるか横書きになるかという選択は書き手がするものです。その際、横書きで印刷する場合はカンマとピリオド、という方針の書き手がいてもかまわないと思います。しかし、それはその文書が印刷した形、もしくは PDFのように書式まで含めて決められるデータ形式でしか流通しない場合のみに言えることだと思います。
そうでない場合、すなわち、テキストファイルなどの形式で流通し、レンダリングの方法は読み手が選択できるような場合には、やはり全角の句読点を用いるべきだと思います。そうすることで、読み手は、必要な場合に必要な処理をしやすくなります。現状では、デフォルトで横書き表示をするアプリケーションばかりですが、本来ある姿は、読み手が読みやすい方法でレンダリングできるような仕組みをいろいろなアプリケーション (ブラウザ・ビューア・エディタなど) が持っているべきでしょう。
「横書きという欧米スタイルなのだからカンマとピリオド」ということですが、もしそうならなぜカンマとピリオドだけ欧米スタイルを採用するのでしょうか? いっそのこと全てローマ字で記述したりする方が一貫性がある主張だと思えなくもありません。しかし重要なのは「プレゼンテーション (スタイル) とセマンティクスの分離」であり、欧米スタイルかどうか (プレゼンテーション) 、ということが、利用される文字コード (私はセマンティクスだと考えています) に影響を与えるべきではないと考えます。
いずれにしても、多くの電子的な形式で流通する可能性がある文書において、横書きにするか縦書きにするかというのは書き手よりも読み手が決めることが多いのが現状ですから、どちらになっても対応しやすい形を使うのが望ましいと考えます。