外貨預金はばかばかしい

投稿: 2005年9月25日

外国為替証拠金取引を始めたことは以前にも書いたとおりだ。成績はあまり (というより、全く) 芳しくないが、まあ趣味として考えれば悪くないレベルの損失で落ち着いている。それはそうと、ここのところ気づいてしまった過去の自分の愚かさ、というより、金融業者のあくどさ (というよりしたたかさなのだろうか?) がある。

まだ僕が外国為替証拠金に手を出す前のことだが、某外資系銀行の米ドル建ての外貨定期を設定したことがある。当然、預け入れ期間によって利率が違う訳であるが、たとえば 1ヶ月などという短期間では、微々たる利率しか得られないのに対して、 10ヶ月以上の設定だと、それなりの利率が得られる。当然、 10ヶ月の利率は、その時点での公定歩合から考えるとお得なものなのなので、そういう期間設定をしてしまう、というのは、勉強不足の個人が犯してしまう間違いである。

その当時は納得して設定した定期預金であるが、為替関係のニュースに日々注目するようになった今、それがいかに愚かなことだったかと考えさせられる。投資に詳しい方には、「何を今更」と言われてしまうようなことだが、僕がその 10ヶ月の米ドル定期を設定した後、 FRB (まあアメリカの中央銀行ですな) は、 3回 (もしかすると4回?) の利上げをしている。ちゃんと検証してみた訳ではないのだが、きっと外貨定期に関しては、 1ヶ月物を継続し続けていた方が、得られる金利の面でも有利だったのではないかと思うのだ。

銀行は、外貨預金の設定に当たって「為替リスク」についてはそれなりに説明している。しかし、その中に、公定歩合の変動の可能性に関する説明はあまりしていないのではないかと思う。もちろん、公定歩合が上がる状況においてはリスクである事項も、何らかの理由で公定歩合が下がることになった場合には、預金者にとっては有利な事項になるわけだが、そのあたりの説明がほとんどなされていないような印象を受ける。「金融商品の性質を理解した上で、個々の判断に基づいた投資を」と言ってしまえばそれまでなのだろうが、比較的高い関心を為替に持ち続けている僕ですらこの有様なのだから、為替に興味もない人にとっては、もっと申告な問題なのではないのかと感じるのである。

ついでにもう一つ書くと、為替証拠金を初めてから気づいたことだが、外貨定期の利率は、公定歩合に比べて低すぎるようである。証拠金取引のスワップの方がはるかに有利であることに気づいて驚いた。利率目当てで運用するなら、外貨預金はやめた方がいい、という結論に達した。ただ、外貨証拠金取引でスワップ目当てに取引したところで、為替差損益でスワップなんぞはすぐに吹き飛んでしまう、ということが分かった。

いずれにしても、外貨預金なんぞは、日本円に対する信用度が全くなくなった時のリスクヘッジと言う意味では価値があるのかもしれないのだが、それ以外にはあまり (僕の印象では全然) 魅力のないものに感じられてしまうのである。