今年ももうクリスマスの時期が

投稿: 2005年11月26日

アメリカでは、 Thanks Giving Day が過ぎて、この週末から、クリスマス商戦が始まっていることだろう。そして、ラジオではクリスマス・シーズンを感じさせる歌が流れる頃だろう。僕は、アメリカのこの季節が好きだ。でも、日本のこの季節は大嫌いである。

僕は、この季節をアメリカで過ごしたことが二回ばかりある。1度目は 1988年、僕が高校生の頃、留学していた時の話だ。正直なところ、この時は特に感じるものはなかった。むしろ、キリスト教徒でもない僕に、教会に行くことを求めるホスト・ファミリーを疎ましく感じたり、それほど仲がいいとも思えない親戚づきあいをしているホスト・ファミリーの姿を見たりしていて、あまりいい印象がない。

2度目は、 2001年のことだ。そう、 9/11のテロの後、あの重苦しい空気が満ちている中でアメリカが迎えた、あの年のクリスマスの時期だ。 僕は、あのテロ事件以降、アメリカと言う国やそこに住む人々に対して、あまりいい印象を持っていなかった。多くの人が、宗教とか人種とか、そういうアメリカの多様性を生み出している物を否定するかのような言動を見せ、おかしな愛国心に満ちた空気が、僕の周囲にすら感じられる時だった。しかし、アメリカにおけるクリスマスの時期というのは、元来、人が人を思い、持つ者が持たざる者を助け、みんなが他人の幸福に思いをはせる時期らしい。もちろん、クリスマス・プレゼントに絡む商戦、つまり金儲けの時期でもあるわけだが、テレビやラジオでは、ショッピングを促す広告と同じくらい、寄付などの呼びかけも多い。当時簡素なアパートで一人暮らしていた僕自身も、クリスマスイブやクリスマスの日の食事に誘ってくれる友人の暖かさをありがたく受け取ったものだった。そう、やはりあの国におけるクリスマスというのは、家族や友達の暖かさを感じる時期なのだ。

一方日本はどうだろうか。世の中の多くの人たちは、クリスマスと言えば恋人たちのイベントだと思いこんでいるかのような、そんな感じだ。恋人がいた時もいなかった時も、結婚している今でもそうでなかった時でも、僕はこの感覚がどうにも分からない。「勝手にしろ」と言ってつばを吐きたい気分である。高額なプレゼントを期待する人々が多いというアンケート結果を出して、高額なプレゼントを贈り合わなければならないような気持ちにさせることをねらっているとしか思えない業界や、その片棒を担いでいるマスコミの存在、クリスマスに向けてなんとか恋人を確保しようとする人々、みんな勝手にしろ、である。そこには家族や友人や世界の恵まれない人々を思う気持ちなど、全く感じられない。だから僕は日本のこの季節が大嫌いなのだ。

僕は、今年も周りの雰囲気に流されることなく、 20年 (ひょっとして 21年かな?) 前の名曲、 ``DO They Know It's Christmas'' を聞きながら、何よりも大切な家族や友人に出会えた偶然に感謝し、彼らの幸せと世界の平和を願いながら、この季節を静かに過ごそうと思う。

To my beloved family and friends
Happy Holidays!!