株価指数取引に手を出す

投稿: 2006年1月31日

1年ほど前に株に手を出して以来、実は証券会社の口座はほぼ休眠状態で、新規公開銘柄に応募しては落選する、というためだけのものに成り下がっていた。とにかく、個別銘柄に手を出すには、知識が少なすぎるし、不安も大きい、というのがその理由だ。しかし、ここしばらく株価は上げ続けているし、ここでなにもしないのは損をしているような気がし始めて久しい。そこで、株価指数を対象とした取引をしてみることにした。

まず最初に目をつけたのが、日経225の先物取引である。これは、僕がよく見ている為替関係のブログで時々話題になっていたので興味を持った。日経225ならば、個別銘柄ほどは値動きは荒くならないだろうし、日々値を追い続けるのも簡単だ。そこで早速、口座がある松井証券で見てみると、なにやら新たな手続きが必要らしいことが分かったので、とりあえずよく考えもせずに手続きをしてみた。実は、先物の手続きが済んでいる場合とそうでない場合では、新規上場銘柄に申し込んで外れた時にもらえる「落選お詫び料」が (少しだけだけだけど) 多くなる、ということもあって、まずは手続きをしてみた。

手続きが完了したので、早速じっくりと調べてみた。手続きをする前にも、ごく簡単に説明などは読んでいたのだが、どうやら一番重要な部分を見落としていたらしいことに気づいた。というのは、この先物取引というやつ、大変レバレッジが高いのだ。たとえば、15,000-円で 1枚買ったとすると、実際には 150,000,000円のお金が動いていることになる。そして、その際に必要となる保証金は、松井証券の場合は 50万円ほどらしい。つまり 300倍のレバレッジ。 N225が 1円動いただけで 1万円の損益! 期待と反対の方向に 100円とか動いた日には目も当てられない。 (まあ 50万の保証金でやれば、そこまで動く前にロスカットされるのでしょうが。) 当たった時は良いが外れた時は大変である。これは僕の余裕資金を考えると、とても僕が参加すべき取引ではないことが即座に分かった。うーん、残念。

次に、株価指数を対象としたオプション取引について調べてみた。なかなか面白そうだし、金額的にも僕が手を出せるものだ。しかし、オプションの場合、指数そのものの取引ではないから、価格変動を予想するのが難しそうだと感じた。指数の動向に加えて、オプションの満期までの期間なども考えなければならず、これは初心者にはちょっと大変そうである。ということでこれも断念。

そして次に検討したのが、 ETF (株価指数連動型投資信託受益証券) というやつである。これは、証券取引所で取引ができる投資信託 (上場投資信託) の中で、 N225や TOPIXなどの株価指数に連動するように運用されているものである。 (僕の理解が正しければ、いわゆるインデックス型の投資信託ということだろう。) 一般の投資信託の売買と違って、 ETFの場合は、取引所の取引時間であれば、いつでも、その時間の価格で売買できる。一方、一般の投資信託の場合は、その日の基準価額での売買になるし、また申し込んでから実際に約定するまでには数日かかる場合が多く、望んだ価格での売買が成立するかどうかは分からない。

実は日経 225に明確な上げトレンドが出始めたと言われるようになった頃、一度だけインデックス・ファンドを買ったことがある。しかし、上に上げた問題が気になって、ちょっと儲けが出た段階でさっさと売却してしまった。利益を上げることを目的に運用されている投資信託の場合はまだしも、インデックス型の場合、指数に連動することを目指している場合が多いはずなので、本当の上げトレンドの時にしか買う意味がない。そして、言うまでもなく下げている時には、買う訳にもいかないし、また保有しているものを売るのもばかばかしい。ということで、インデックス・ファンドは二度と買わないと決めていたのだが、 ETFなら問題はなさそうである。また、 ETFなら、信用取引と組み合わせれば、下げトレンドの時にもある程度の収益を期待できる。まだ信用取引の口座は作っていないが、これを気に作ってもいいかもしれない、と考えている。

そんな訳で、早速日経225に連動した銘柄を買ってみた。取引単位は 10口ということなので、最近の価格で言えば 16万程度である。これなら、 N225が 1円下がってもたかだか 10円の損失である。数百円とか下がってしまえば数千円の損失になるわけだが、そこはこれまで為替取引で学んだことを生かして、ちゃんと損切り注文を入れておきさえすれば何も怖くない。先物取引ではポジションを持ったとたんに生きた心地もしなさそうだが、これなら僕にも十分許容できる。

16,390円で買った 10口、気が短い僕は、翌営業日に 16,900円で売却した。手数料を差し引いて、飲み会 1回分くらいの利益だ。悪くない。そして、売却した直後あたりから、この銘柄は 100円くらい下げたので、また改めて購入してみようかな、などとも考えている。

というわけで、僕には ETFの取引は比較的向いているのかもしれない気がしてきた。少なくとも、指数取引をしようと思った場合には、今の僕にはこれが一番良さそうである。おそらく今後も個別銘柄に関しては、長期保有を前提とした取引しかしないと思うが、短期売買の対象として、 ETFに注目していこうと思う。

追記: これを書いてからだいぶたってから、ここで書いた日経225先物の取引単位を誤解していたことが分かりました。正しくは、 1枚が実際の N225の 1000倍ということなので、 15,000円の時の 1枚は 15,000,000円ということになり、レバレッジも 30倍が正しいことになります。いずれにしても高レバレッジですが…。原文の方は、これを書いた当時の僕の考えを記したものなのでそのままにしておきますが、誤った情報については訂正しておきます。